長野市 公認会計士・税理士・会社設立・創業支援
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武部会計事務所
Tax and management
税務・経営講座
これから起業・創業しようとしている方、起業したてで、税務・会計・経営のことをよく勉強したことがない、これから勉強しようという方に、なるべく専門用語を使わず、わかりやすく解説したものをUPしていきます。
こんな内容がわからないので、わかりやすく解説してほしいといった要望もお待ちしています。
事業をやっていて、これを知らないと損するといった内容も書いていく予定ですので、もう何年も経営している方でもぜひ一読してみてください。
2016年4月19日平成28年度税制改正
平成28年度の税制改正(一部抜粋)について、概要をお伝えいたします。具体的な適用については、顧問税理士にお問い合わせ頂くか、適用条文をご確認くださるようお願い申し上げます。
ここでは、中小企業者(資本金1億円以下の会社)の経営者・経理担当者向けになるべく(専門用語を使わず)わかりやすさを重視して書いています。少し正確な表現にはなっていませんので、ご留意ください。中小企業者以外の適用項目については記載を省略しています。 |
1.法人税率の引き下げ
(概要)
所得金額が年800万円を超える部分について、若干税率が下がります。
区分 | 所得金額 | 現行 | 改正後 | |
H28年度~ | H30年度~ | |||
中小法人等 | 年800万円以下 | 15% | 15% | 15% |
年800万円超 | 23.9% | 23.4% | 23.2% |
(筆者感想)
800万円以上の所得を出している会社は少なく、ほとんどの中小企業は税率が下がる恩恵はないでしょう。
2.減価償却方法の見直し
(概要)
今まで、建物付属設備及び構築物について、減価償却の方法として定率法又は定額法のどちらかを選ぶことができましたが、定額法しか採用できないこととなりました。
適用開始:平成28年4月1日以後に取得するもの
区 分 | 改 正 前 | 改 正 後 |
建物付属設備及び構築物 | 定額法又は定率法のうち、届け出た方法
届け出していない場合は定率法 |
定額法 |
(筆者感想)
オフィス・店舗の内装工事費等が建物附属設備になるので、これから開業・出店・支店開設などをする会社にとっては影響が大きいと思われます。備品と違い、金額が大きくなると思いますので、金額的影響も大きいと思います。
3.欠損金等の繰越控除制度の見直し
(概要)
中小法人等の欠損金の繰越控除について、現行9年間となっているものが、平成30年4月1日以後に開始する事業年度分から10年間に延長されます。
法人の区分 | 項 目 | 事業年度の区分 | |
H27.4.1~H29.3.31に開始する事業年度 | H30.4.1~に開始する事業年度 | ||
中小法人等 | 繰越限度額 | 全額 | |
繰越期間 | 9年間 | 10年間 |
(筆者感想)
9年→10年で1年の延長のみですが、あまり影響のない事業者の方も多いとは思いますが、欠損金の期限切れが発生し、あと1年あればと思ったこともあります。H27.3以前に開始する事業年度は7年間で期限切れとなります。欠損金が残っている会社にとってはうまく活用したいところです。
4.地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設
(概要)
H28.4.1以後に支出した場合に適用となりますが、法人の自己負担が多く、中小企業者で実施する法人は少ないと思いますので、項目の説明のみにとどめておきます。
5.中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度の見直し
(概要)
中小企業者が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、(合計で300万円が限度に)全額即時償却できる制度。適用期限が平成30年3月31日までに取得した資産にとされ、2年間延長されました。「常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人」は同制度を適用できないこととなりました。
(筆者感想)
この制度は従来から延長されているので、延長は予測に範囲内といったところ。「常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人」は適用できないこととなりましが、資本金を1億円未満にして、課税逃れをできないようにする企業を対象とした改正であり、至極当然。
6.交際費等の損金不算入制度の延長
(概要)
中小法人等の交際費については、年800万円以下の部分について損金に算入できるという制度が2年間延長され、平成30年3月31日まで延長されました。
(筆者感想)
これについては延長されない可能性もあったと思われます。次回は延長されない可能性もあると思います。
7.通勤手当の非課税限度額の引き上げ
(概要)
交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当の非課税限度額の上限額が月額 10 万円から 15 万円に引き上げられました。自動車等を利用する人に支給する通勤手当については変更ありません。
(源泉徴収について)
H28.1.1~の支給額について適用となりますが、過去の源泉徴収額については変更の必要はありません。年末調整について調整すればよいとのことです。
(筆者感想)
通勤圏の拡大による範囲の拡大とのことです。新幹線通勤の利用者も増えているなどの要因も考えられます。この制度変更で、長野への移住者が増えてくれることを期待したいです。
以上
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